キリンバズウカ「スメル」:無念、読み間違えた


前もって言うけど役者は悪くない。


ど素直でどストレートな演劇は好きじゃないがしょせん好みの問題なので別にいい。けれども、演劇的な張りがなさすぎる。人間を描こうとしているらしいが脚本のえぐり方がぺらぺら。おそらく狙っているのであろう笑いが演出のゆるさのせいか成功していない。ほとんどの台詞が説明みたいに聞こえた。感情や展開を動かすのが役者の声の張り上げと小道具みたいなアイテムというやりかた。そんなのアリだと思ってるのか? 途中で帰りたくなった。話もまとめず終わってんじゃねーよ、とすら思いません。それにしてもずいぶんと顔立ちのいい役者ばかり揃えたものだ。鼻血とビデオカメラに何か意味があるのかどうかは気になる。ならへんわー。


ちなみに座席は客席右側の最前列で舞台を見上げる位置。参考まで。念のため繰り返し言うけど役者は悪くない。浦井大輔、深谷由梨香、遠藤友香理がよかった。折原アキラはこないだの正月の東京デスロック「その人を知らず」での印象に負けてて残念。好みだけど。


corichの評判は良かったのになー。

キリンバズウカ「スメル」
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=12696

▼作・演出
登米裕一


▼出演
黒岩三佳(あひるなんちゃら)、永山智啓(elePHANTMoon)、深谷由梨香(柿喰う客)、浦井大輔(コマツ企画)、折原アキラ、永島敬三、河西裕介(国分寺大人倶楽部)、遠藤友香理(カムヰヤッセン)、花戸祐介、細野今日子(劇団競泳水着)、稲川実代子


▼サイト
http://kirinba.seesaa.net/


▼説明 ◎上演時間は、約1時間40分です。

キリンバズウカ1年3ヶ月ぶり2009年はこれっきり新作公演は
【ニブい笑いとネジれた人間。だけどアットホーム】

都内のとあるゴミ屋敷。独り暮らしの老女はゴミを集める。
家庭ゴミが有料化されて3年。
近所の人々はゴミ屋敷を迷惑だとののしりながらも
夜中にこっそり我が家のゴミを置いていく。

永住禁止条例が出されてから5年。
若者たちは東京に住むために屋敷のゴミを片付ける。

何もしないことが許されない街で
家族と離れて住む若者たちは
今日もゴミの匂いと、甘い匂いのする話に振り回されている。


CoRichより