東京デスロックのリア王は優しくて力強かった


Tokyo Deathlock
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埼玉までリア王みにきたぜー。何を隠そう30歳にしてシェイクスピアは一回も読んだことがなかったのである。すみません。そして何を隠そうキラリ☆ふじみにくるのは2回目である。2回目は今日で1回目はこないだの木曜日に東京デスロックのリア王を見に来たのである。まあ、いろいろ思ったけど、ちゃんと戯曲を読んでからの方がいいだろうと思ったのである。というか本当は1回目はいまいちのりきれず迷っていたのであった。すみません。というか1回目だって本当は読んでから来ようと思っていたのであったさ。

そんなわけで金曜土曜と必死でシェイクスピアリア王ちくま文庫)を読んだのである。途中まで。意外なことにとても面白い。シェイクスピアがむちゃくちゃなセリフを言わせるもんだから登場人物たちも大変だなあという感じ。ほとんど全員死ぬとかいう感じ。それを池袋からの東部東上線で友人に説明してリア王を読ませる。リア王が狂いだしてギリシャの学者さんとか言い出すあたりがとても面白い。

キラリ到着。さて、今日は休みの日だからかモモンガコンプレックスがキラリを蹂躙していて非常に愉快。天気もよいし。早めにきてよかったと思う。ふむ。こういう劇場のあり方が成立すれば喜ばしいなあとか思う。

感想。とにかく始まる前の会場がかっちょよすぎる。チャットモンチーかかってるわ。赤いランドセルが3つ置いてあるわ。奥のでっかい黄金色の垂れ幕の荘厳な感じやら。2回目なのにどきどきする。多田さんはこういうビジュアルなかっちょよさが得意だよなとか思う。パンフレットもかっちょいいし。さて、1回目で学んだことが2つある。(1)セリフはテキストそのままなのでけっこう頭に入りづらいところがある、だから、テキストを読んでからみろ。(2)曲の音量がでかくてセリフがきこえづらいところがある、だから、できるだけステージに近いところに座れ。これを実践して挑んだため理想的な姿勢であったと思う。話がわかればあとは多田演出を楽しめばいい。そしてラストのkiroroで泣いた。がんばった甲斐があった。あのエンディングはとても優しくて力強い。バックの垂れ幕スクリーンはちょっとした映画館並の大きさである。とても大きなお芝居であった。友人も素晴らしいねと言ってくれて俺は本望だ。ところで、小さい女の子がみにきていて夏目さんのリア王にいじられていてとても恥ずかしそうに楽しそうだった、のをみた俺が嬉しそうでよかった。リア王が狂って勝手に裁判をするタイミングでの客いじりがとても上品なエンターテインメントだ。

トークショー。なんと予定されていた内田慈さんはアレだったためトークショーの多田さんのお相手はハイバイの岩井秀人さんに変更。テレフォンショッキングがテレフォンショッキングじゃないか。岩井さんは飴屋法水演出「転校生」を見に行きたいらしく途中でちゃっと去って行った。ちなみにそれ俺も見たかったけどあきらめたのであったよ。(ちなみに転校生、ネットで評判みたらそこかしこで大絶賛の嵐で泣ける。) 質問してわかったけど、リア王がつけてくるゴーグルみたいのはサングラスみたいのではなく、けっこう本当に見えにくくしているらしく、夏目リア王がラストらへんで想像以上に大変なことになっていたと知ってまたへぇーとなる。

おまけの話。キラリからの帰りのバスでおばさまとおばちゃんに席を譲ったんだけど、そしたら、おばちゃんに「リア王みて老人の気持ちがわかるようになった?」とか言われて爆笑。そしてなんと譲ったおばちゃんと一緒にいたおばさまが多田さんのお母様であった。おばちゃんが多田先生は才能がおありだから云々としゃべくりたおしていて、お母様は非常に恐縮なさっていた。公演に来るたびに客席が空いてないか気になってしょうがないんだそうで。非常に普通にお母様なお母様であった。多田さんはむかしビートルズのコピバンを。。。みたいな裏話を聞いてしまった。お母様!