高襟狂騒曲〜ハイカラプソディ:ラストの反復にしびれる

  • 2009.06.25(木)19:30-20:45
  • Dance Studio UNO(東京都墨田区押上)

第3回高襟ダンスパフォーマンス 高襟狂騒曲〜ハイカラプソディ
http:///haikara2001.com/


「女性」という不条理な入れものから
放たれるダンスは、そこにある「美」を過去にする。
だからこそ、私たちは普遍的な「美」にこそ嫉妬し
殺意を覚えるのだ。いい女は過去を振り返らない。
「過去」を纏って、前を向いて闊歩する。


毒を含んだシュール・エンターテイメント!薔薇色にエロスを染め上げ、いま、高襟が動き出す―


CoRichより


ステージを上から見たとしたら対角線上に黒い線、舞台正面から見ると5本の黒い帯、その下に横たわった女の入れ物とも言うべき肉体が4つ、赤いハイヒール、白いパンツ、体の上に置いてある花柄の丈の短いワンピース、奥にはバラの花を咥えているシャープな女、服を着る、切る、はさみで、五線譜という基準を、それでも記号はまとわりつく、女が女にされる、女の体が女であることから逃れようとする、が逃れられない、パンストをかぶる、逃れるためにはどうすればいい、そもそも逃れたいのか? そして誰が? というイメージだなあと思いながら楽しむ。新世界・第4楽章かっちょいいい。


ラストが圧巻。大好き。赤いハイヒールと白パンツだけの乳房隠し行進ダンス。動き自体は前進と後進の執拗な反復で、反復するがゆえに肉体が疲れ、5つの女の体のコラボレーションに微妙な差異が生じてくる。それでも曲は単調に同じフレーズを繰り返す。途中、鳥肌が立ち、しつこい反復に爆笑し、とうとう泣きそうになった。暗転しても音楽が鳴り止んでもまだ前後に行進しているヒールの音がする。いったいいつまで続くんだろう、おそらく永遠に続いたんだな、という感じで終了。代表:深見章代さんが左隣の女性の乳房を隠すときの動きが異常に慎重で、配慮を感じたりもした。


ラストのロシアかどっかの民謡みたいな曲はなんというのか、誰か教えてください。しばらく思い出せなくて悔しくて、けど3日くらいしたら不意に思い出せて、それ以来、耳から離れない。