「雪の下の炎」で揺れる日常

いい天気が昨日から続く。こんな日は外へ出かけるに限る。とは言っても結局映画館に入るので一緒。ドキュメンタリー映画「雪の下の炎」を渋谷uplinkでみた。テーマが関心を集めたからか日曜だからか14:50の回はほぼ満員。ほぼ満員と言ってもuplinkは小さいので40人もいない。90分ずっと鼻をすする人がいて気が散った。ポケットティッシュを投げつけてやろうかと、幾度となく思った。

「雪の下の炎」は、 http://www.uplink.co.jp/factory/log/002992.php

33年間の拷問と投獄、チベット僧パルデン・ギャツォの不屈の精神を描いたドキュメンタリー


第1回チベタン・フリーダム・コンサート。ビースティ・ボーイズビョークオノ・ヨーコら豪華ミュージシャンとともに一人のチベット僧が平和を訴えた。中国軍の侵攻に対しチベット民族が蜂起した1959年に、平和的なデモを行ったという「罪」で投獄されたチベット僧パルデン・ギャツォである。想像を絶するむごい拷問を受けながら33年間を生き抜き、非業の死を遂げた同胞のため、現在も闘い続ける。
この映画は、パルデン・ギャツォの苦悩の人生を通してチベット問題を浮かび上がらせると同時に、人間が持つ精神力の計り知れない可能性を私たちに見せつける。


監督:楽 真琴 
出演:パルデン・ギャツオ、ダライ・ラマ14世、他
2008年/アメリカ・日本/75分/video/
カラー・白黒/4:3/チベット語・英語・イタリア語  
原題:Fire Under the Snow
宣伝協力:龍村仁事務所
配給・宣伝:アップリンク


▼公式HP
http://www.uplink.co.jp/fireunderthesnow/


パルデン・ギャツオという人の語りを90分聴く。さまざまな映像によってイメージを与えられながら。人の話をイメージを膨らませながらリアリティを感じながら90分聴くということがどういうことなのか。というとこういうことなのだ。人の語りによってドキュメンタリー映画のテンションは成立する。(何によって成立するわけではないかが重要なのだが面倒なので省略)

チベット問題がやっとわかった。みてよかった。とは思う。思うが、もっと思うことがある。しかしその感想は日々働いて暮らしているという選択に対する後ろめたさすら生みかねない。選択にならない選択をするということに対する。何をやってんだろう、と。丁寧に書くと眠れなくなってしまいそう。とにかく今日は人の話を90分ちゃんと聴いた。

ちなみに昨日の夜ドキュメント・森達也の『ドキュメンタリーは嘘をつく』 (DVD付)をみた。テレビで放送したというのがすごい。とても楽しい。たとえドキュメンタリーがフィクションであっても観る側のイマジネーションはそれを突破するはずだ。あるいはもう少し弱くしかし現実的な言い方をすれば複数のイマジネーションがあれば距離を突破できるはずだ。さてどうか。