サンプル「通過」わかんない

駒場東大前から吉祥寺まで出て、井の頭公園に行ってみる。公衆トイレで男子が誰かに返事をする。どうやら相手は併設された女子トイレにおる女子だ。女子いわく、ティッシュ。男子いわく、えー?ティッシュ?! それを聞いて、通り過ぎかけて戻って試供品のティッシュを男子に渡す俺いわく、よかったらティッシュどうぞ聞こえたんで。男子の反応、ちょいはにかみ、でも助かったラッキーてなもんだ。男子女子ともに素直なやつらだ。通過せずにサンプルなティッシュを渡す話でした。ありがとうございました。よい天気でした。

ジブリのアトリエ覗いたりしつつ、整理されてきれいで落ち着いた住宅街をてくてく歩く。てくてく。焼肉屋あった。肉屋とか、あるよね。腹が減ったんだった。肉屋でコロッケ買おうか悩んだり。少し賑やかで車の往来も激しい道に出る。古書店の登場。劇場行くのかなと思わせる雰囲気の女性がいたりする。まあそんなこんなで吉祥寺駅から1時間くらい歩いて三鷹市芸術文化センター・星のホールについた。

出演
 辻美奈子(サンプル・青年団), 古舘寛治(サンプル・青年団), 古屋隆太(サンプル・青年団) 他
脚本
 松井周

説明
※スカート・ヒール以外の動き易いお召し物がお勧めです。
※開演時間までにお越し下さい。

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性機能不全の夫、親の介護にくたびれる妻、旧同級生との不倫関係。
一見、現代社会では生活の周辺にありふれた諸事情を抱える家庭に、一人の男が
現れる。
男の「ユートピアをつくる」という発言から形作られていく環境に支配される人 間たち。
激しい舞台シーン展開、それとは裏腹にある俳優の繊細な芝居によるリアリティの探求
を試みた作品。

舞台美術に期待していたが、FT09での「火の顔」のときほどの感動はない。観客もゴミみたいなもんさ、なのかな?とか期待したりしたがそうでもない。やはり古書店にいた女性がいる。どうやら芝居を観そうな人は独特のオーラを出しているらしい。ああそうだ。舞台美術としては、客席よりも、高い天井からぶら下がる無数の照明に圧倒されたんだった。気持ち悪いくらいに照明が垂れていて気持ちいい。照明群の真ん中にあるのが白いスピーカーだが、このスピーカーから音が鳴ってもこのスピーカーの物語の中での意味がさっぱりわからず、象徴的な解釈が必要か?とかすっとぼけたことを思ったんだった。青年団「冒険王」を2008年の秋にアゴラで観た。青年団の芝居は初めてだった。「通過」が終わってみて、そのときの印象と近い感覚がある。そこで起こっていることに対する関心は持続するけれども、まったくといっていいくらい楽しめない。野津あおいさん好きだし、ハイバイの坂口辰平さんも好きだが、兄役の演技が好みじゃないというのはある。笑えないと厳しいのか? かわいそうなやつが仰向けでナニ突き出してたり、カマ掘られたりするのは笑えるけどなあ。あと五反田団の「すてるたび」を楽しめなかったときの気持ちとかなり近い。うーん。そこで何が起こっているのかわかってないのか、何も起こっていないのか、どっちなんだろう。ううううーん。トークショーで性的なものとか性的衝動について話がされていたがだからどうした?としか思えず。いくつかわからないこと、ガムのサンプル、次に出てくる役者が舞台袖で予告的に現れていること、ネットで公開されていること、部屋の中から覗いていること、とか。

ほかのひとの面白かったという感想を読んで気になったらもう一度観に行こうと思う。くやしいけど面白さがよくわかりませんでしたーっと。あーくやしい。