東京デスロック『LOVE 2009 Obirin ver.』知らない快感を期待して

快感と苦痛を期待して来たよ。淵野辺、遠い。でも久々に長い時間電車に揺られて本が読めたのでよし。

キラリンク☆カンパニー 東京デスロック
『演劇LOVE2009〜愛のハネムーン〜』
● Korea-Fujimi-Obirin-Aomori-Kobe ●

東京公演を休止し、埼玉県富士見市民文化会館キラリ☆ふじみを拠点に活動する東京デスロック。
今年の『演劇LOVE』は愛の蜜月旅行。07年初演の『LOVE』を各地で連続上演。愛も形を変えていきます。

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LOVE director 多田淳之介
LOVE actor 夏目慎也 佐山和泉 坂本絢 佐藤誠 郄橋智子 堀井秀子 山本雅幸 井坂浩
             (Korea ver. 夏目慎也 佐山和泉 石橋亜希子 笠井里美 坂本絢 佐藤誠 郄橋智子)

LOVE 照明 岩城保  LOVE 制作 服部悦子  LOVE 助成 財団法人セゾン文化財
LOVE 協力 青年団  (有)レトル krei inc 森下スタジオ シバイエンジン

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●作品『LOVE』とは?
2007年の「演劇LOVE」にて東京デスロックの現在形(2007年当時)として上演される。

演劇の根本である人と人のコミュニケーションを中心に構成された作品。ほとんど台詞が無いにも関わらず、舞台上でのやりとり、俳優の表情・身体から「愛すること/愛せないこと」を浮かび上がらせる。

観客それぞれの解釈が許される為、初演時には同じシーンでも爆笑する観客と涙する観客が混在した。

一方でそのわかりやすさから、韓国公演では数少ない台詞を観客も客席から合唱するという盛り上がりを見せた。

東京デスロック作品における根本且つ先端を担う作品。

(劇団公式サイトよりhttp://deathlock.blog89.fc2.com/blog-entry-1.html

Love directorとか、書いてあるからね。笑うところ。

「LOVE」観たかったのでかなり気分がいい。駅ついたら現金が無くてATMを探しに駅の反対側までいったりほんわか。チラシ素敵じゃないか。これ今日まで知らなかったけど。

  • 白いでかい幕に、いつものフォントで「WELCOME」、テンションあがる
  • 始まると、幕にいつものフォントで「LOVE」、赤、緑、青、が変わっていく照明がシンプル
  • YMOライディーン」の知らないアレンジが爆音でテンションあがるオープニング、むちゃくちゃ長い、ここで観客は何も起こらないことを悟って腹をくくる必要があるわけで、親切っちゃ親切
  • そこ、に一人ずつ役者が投入される、離れて向かい合って立つ二人の役者の影がスクリーン中央「LOVE」の下で重なる
  • 笑い声以外には台詞もなく、立つ、座る、視る、視ない、笑う、様子を伺う、誰かに合わせる、周りに合わせる、促すように座る、促すように立つ、座ろうとしてやめる、といったシンプルな所作の組み合わせで関係が立ち上がってくる、ぞくぞくして鳥肌が収まらない
  • 徐々に増えて最後8人に、お客様はけっこうげらげら笑っている、関係の遊びが実際かなり楽しい
  • 演劇にほんとに台詞が必要かどうか、シンプルなルールのもとbodyだけを使って演劇ゲームというものを行ってみよう、という体じゃないか、と思いながらウィトゲンシュタイン哲学探究言語ゲーム論を想起
  • 役者が踊り踊らされるあのI LOVE YOUの曲がいい、なんて曲だろう、イントロのちょっととぼけた感じが絶妙、そしてそれぞれアレンジが違うのがいい
  • 2回目かな、ノリノリになって、曲の裏拍で叫んでるのがわらける
  • 女性ですごくダンスの切れがいい人に目が釘付け、素敵すぎる
  • 最後、なかなか誰も反応しないのがいい、あわせてではなく単独で踊るのがいい、それは「信じる」じゃないかと思ったが
  • たたいちゃだめだろう、と思ったらやっぱり関係が破綻してしまったじゃないか、子供の冗談が過ぎて喧嘩になるパターンだよあれは!
  • 絶望時間、5分はあった、お客様が考えるターン
  • 後半は関係の喪失か、台詞はもらえても関係から引き剥がされた身体が亡霊のように彷徨う
  • 役者全員に「いいですねー」と言われてけっこうむかついてくる、相手の声が聞こえないケータイに話しかけるのを聞く経験と似ている
  • 総じて、何となく、日本人のコミュニケーションを見たような気分

「後半けっこう不快感があったんですけど」と質問したのに応答しての、多田さんの「ずっと客いじりばっかやってるんですけど」という言い方が素敵だと思った。東京デスロックは2009年正月の「その人を知らず」からしか知らないので観れたのが本当にうれしい。最高だった。7月の神戸での公演に、大阪の演劇初心者な友達を誘ってみようっと。