チェイサー:残酷ごちそうさまでした

  • 2009.06.23(火) 19:40-
  • チェイサー
  • 銀座シネパトス

銀座シネパトスは初めてで興奮。客は8人くらい。レトロな映画館で興奮する。銀座、という感じではなく、昭和、という感じだ。紹介記事なんかを紹介しよう。http://www.cinema-st.com/road/r005.html。是非、ネットで外観を見てほしい。スクリーンはちっさいし、カビっぽいにおいもするけど、歴史に包まれる気がする。でも1年に1回行くかどうかかな。

チェイサー


街では連続猟奇殺人事件が起こっている頃、元刑事でデリヘル嬢の斡旋を生業としているジュンホは、彼の元から行方をくらませた2人の女の行方を探っていた。その手がかりを握る男を見つけるも、探りを入れさせたデリヘル嬢ミジンも失踪。だが偶然ジュンホは疑惑の人物ヨンミンを見つけ、捕獲する。すると警察でヨンミンはとんでもない告白を始めた。「女たちは自分が殺した。そして最後の女はまだ生きている」と――


* ジャンル : スリラー/サスペンス
* 製作年 : 2008年
* 製作国 : 韓国
* 配給 : クロックワークスアスミック・エース エンタテインメント
* 上映時間 : 125分
* 監督・脚本 : ナ・ホンジン
* 出演 : キム・ユンソク 、 ハ・ジョンウ 、 ソ・ヨンヒ 、 キム・ユジョン 、 チョン・インギ 、 チェ・ジョンウ

チェイサー - goo 映画

何が面白いかというと、チェイサーというだけあって追走劇が面白い。といった普通の感想から始めて、記憶を頼りに感想を書いていこう。

R-15指定されるだけあって、まあ残酷描写・グロ描写はあるけれども、まあそこはどうでもいい。いやよくない。というか、無くなったら困る。というか、残酷・グロを使うに値するだけの映画的重量感がちゃんとある。残酷・グロが生理的に無理、とかいうのは欺瞞で、現代人は死から遠ざかってしまって、とかいうけれども、それは15年くらい前の話で、今はインターネットのハードもソフトも充実してきているので、大人になってからならば、ちゃんと死について学習することが可能だ。たとえば殺人ムービーを1時間見てみればちゃんと学習できると思う。残酷・グロを生理的に嫌がる余裕をもてあましている地点から、時間的・空間的に少しジャンプしてみれば、真っ赤な悲惨がごろごろ転がっているということを。という考えって異常でしょうかどうでしょうか。ともかく、嘘の生理感覚でもってノイズをキャンセルして生きながらえるより、映画を観てジャンプして痛みを感じる方がいいことだと思う。そう思うから映画を観ている。

この映画、の話をしないと。ラスト60分である。おおくの映画はラストが5分から20分という感じだと思うけど、チェイサーのラストは60分くらいある。もうすぐ終わる、という気分のまま60分疾走する展開。こういうの好きだ。あと、子供の女の子がよい。主人公の売春斡旋の親父と、女の子とのやりとりがよい。こういうのに弱い。あと、この映画をみたあと、少し自分の中に残酷さというか、帰り道、むかつくやつがいたら攻撃してもいいかも、みたいな気持ちになるけど、私だけでしょうか。思いやりの心が麻痺しちゃう。

ノートを見直さず、記憶だけを頼りに書くと、さすがに1週間前の感想なんてこの程度か。