「ウルトラミラクルラブストーリー」奇跡がいっぱい

本当は15時から新宿ピカデリーチョコレート・ファイター見たかったけど窓口まで行って聞いたら完売だった。死んだ。電車賃がもったいないのもあるし、がんばって前売り券1250円で買ったのもあるし、けっこう走ったせいもあるしで、今年入ってもっとも邪悪な気分になる。なんでチョコレート・ファイターここでしかやってへんねん! なんでチョコレート・ファイターなんか観に来んねん! どうぜ観たい映画が満席で仕方なぐ流れで入っでぎた客ばっかりちゃんうがががが! げろげろげろげろ! げろげろげろげろ! 渋谷に引き返してきて、くっそうあほばっかあほばっかとか呟きながら文化村通りを歩いた。なんにせよ新宿ピカデリーは混みすぎ。土日はできれば行かないほうがいいことを学んだ。シネコンからしょうがないけどな。

ユーロスペースの会員カードのポイントがたまっていて使う。8回観たら1回ただなのだ。ぎりぎりなのですでに90人入っているとはいうものの、ちゃんと観やすい席にありつけた。本当に良い映画館だ。もう、最近ユーロスペースのことを好きを通り越して愛している。仕事が休みの日は絶対会いにくるよ! ねえ実際そうだろう? いつものユーロスペースにいない客層でびびる。松山ケンイチファンとか、麻生久美子ファンとか、もっとたくさんユーロスペースにお金を落としに来てくださいね。

ウルトラミラクルラブストーリー」は笑って泣けて阿呆が出てくる楽しい映画。で、松山ケンイチ、わりと好きじゃなかったけど、この演技はちょっとすごいんじゃないか。身体能力がすごい。山での側転は本人がやってるのか? 

なにより、幼児性(陽人しかり、幼稚園児しかり)の演出がすばらしすぎる。黄色い田んぼをバックにした陽人と町子の電話番号を交換したりする帰り道、の長い1カットも泣けるくらい素晴らしい(曲もいい)が、幼稚園児たちはなぜあんなリアル演技ができるんだ。あいつら天才か? 奇跡すぎる。奇跡すぎるわ。中盤のARATAはぶっとんでたなあ。しかもみせびらかすように長いしなあ。そんで脳天直撃のラストが最高で、松山ケンイチファンとか、麻生久美子ファンとか、お金を落としてでっかいはてなを持って帰ってください。ちなみに俺は麻生久美子ファン。

さて、麻生久美子の採用はどうだったか。「インスタント沼」が別に好きなわけではないけど、ああいうキャラクターのために生っぽさを死なされた演技のほうが映えるんだろうな。シャワー浴びてる陽人に対する「もう、バカ!」のセリフが死んでて、それ以降テンションが落ちてしまった。とはいえ町子のキャラクター自体が強くないから大した問題じゃないか。全般的に音楽は抑え目で好みだが、似たようなシーンで似たような曲を使うから飽きる。でもでも最高のラストできもちよくなれたしエンディング曲のイントロが鳴る瞬間もよかった。観終わったあとほかの映画は観たくなくなったくらい。

と一回目は思ったけど二回観たらどう思えるか。もう少し先へ行けそうな気がする。津軽弁聞き取るのに必死になることもないし。