映芸シネマテークVol.3「桃まつり」の収穫まつり、楽しかったー

映芸シネマテークVol.3「桃まつり」の収穫まつり!!に行ってきた。会場の近くに乃木神社というのがあって、ちょっと暗くて怖い感じがしたけれども入ってみて、剣道の練習の声を聞きながらコンビニおにぎりで腹ごしらえ完了。会場にはけっこう人がいた。1300円払って1ドリンク券をもらう。

<真夜中の宴>から
『感じぬ渇きと』(監督:大野敦子)
『きつね大回転』(監督:片桐絵梨子)
『みかこのブルース』(監督:青山あゆみ)

桃まつりpresents 真夜中の宴 弐 [DVD]

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<kiss!>から
『月夜のバニー』(監督:矢部真弓)
『あとのまつり』(監督:瀬田なつき

瀬田なつきさんの「あとのまつり」をもう一度観たかったのと、<真夜中の宴>の作品を観たかったのと、映芸シネマテークという「映画芸術(好きな映画雑誌)」のイベントに参加してみたかったのとが動機。だった気がする。もう忘れた。感覚的にはトークショーつきの小劇場演劇を観にいくのとほぼ一緒。表現しているひとに会えたり話がきけるのって貴重だと思っている。

映画芸術 2009年 05月号 [雑誌]

映画芸術 2009年 05月号 [雑誌]

「感じぬ渇きと」はいろいろ環境要因のせいか何が起こっているのかよくわからなかったけど、ラストで何はともあれ映画であろとする意思というか意地みたいのを勝手に感じ取る。挿し込まれる写真は印象的だけど写真。

「きつね大回転」はコミカルでざわざわしていなくて、でもインパクトのある絵がうまくつながれていって、なので覚えやすく、見終わった後も思い出して味わい続けることができる。しかも最初からテンションが落ちない。すごい。「はっきりしゃべれ」と怒られるしゃべり方が楽しすぎる。誰かに真似させたい。女が男を背負って昇らされる階段が一瞬夕焼けですごく綺麗だった。

「みかこのブルース」は主人公の少女がヘッドフォンで聞いていた音楽を知ったとたん、少女の側から見た景色が見えるような気がしてびくっとする。そんな感じでびくっとするけどおもろすぎてエンディング曲のあいだへんな笑いがこみあげてきてなかなか消えない。

「月夜のバニー」は二回目。ユーロスペースでの上演時に、母親役で出演されている監督のお母様に「すごくよかったです」と伝えたら「もうっ!」とか言われて肩をパチンとはたかれて、監督の矢部さんが「もう、初対面の人をたたかないで」とおっしゃていた。という話は前に書いた気がするけれども、あいかわらず、母親が怖い。

「あとのまつり」は二回め。気持ちいい。ほふぇふぇたしかにヌーベルヴァーグでげすね!とか言ってみたかったけど、ヌーベルヴァーグな映画というのがよくわからないので、「あとのまつり」みたいな映画がヌーベルヴァーグなのだと理解しておくことにしよう。男の子のダンスには訓練されたキレがあるけど、女の子のそれはダンスは自信はないけどがんばってみますという感じ。そういうところがすごくいいと思うのだ!という話。今日観て、記憶を忘れる彼らがタッチしているのは永遠なんじゃないか、と思ったけど。半年くらいしてまた観たい。

上映後、物販があって、藤原ちから(id:fchikara)さんのテルテルポーズは持ってるので無視して、試しに「nobody」誌を買ってみた。で、家かえってnobody?nobodymag?とか思って検索してみたらRSS購読してたし。http://www.nobodymag.com/

nobody issue 30

nobody issue 30

トークショー映画芸術の方の司会・進行が見事。で、「一万年、後…。」の沖島勲監督がおもしろいことをおっしゃっていて、「桃まつり」の<女性監督のみ>というくくり方は、ピンク映画と同じで作品にとっては逆に自由なんだ、と。なるほど。あと、今の若者に起こっている変化や新しいことに興味があるというかそういうことにしか興味が無い、そういものに出会いたい、とおっしゃていて、異常に共感する。別の言い方をすれば、たとえば、いろんな人がつぶやいていて、そのつぶやきに出会っていく、出会いがまたつぶやきになる、そんな時代なんじゃないのかな。Twitterとか使ってないけど。

最後、懇親会みたいな雰囲気のときに、アゴラですれ違って顔を覚えていた藤原ちからさんと話せてよかった。小劇場演劇と自主制作映画を両方観てる人はなかなかいないとおっしゃていて、たしかにそうかと思う。渋谷の文化村通りから、ユーロスペースとかUPLINKとかいった映画館にいけて、もう少し歩いていくと、平田オリザの本拠地である駒場アゴラ劇場があるので、地理的にはとても近いんだけどな。下北までいくとまた違うことになってしまうけど。お互い、沖島勲監督の「一万年、後…。」観てなくて観たいんだけどでもそのうち観れるよねみたいな変な共感をしたりした。そして今回上映はなかったけどいらした「地蔵ノ辻」の竹本直美さんと、ちからさんと、なぜかハイバイの話をする。そのあとで、青山あゆみさんと東京デスロックの話をする。青山さん、小説どこから買えばいいのか教えてくださいテルポに入ってましたので訂正。興奮したり酔っぱらったりで記憶が曖昧ですみません。大野さんに桃まつりが素晴らしい企画だと直接伝えられてよかった。今度はクシコスポストを観させてください。お願いします。届くかわからないけど。そんな感じで。

終電も無くしながら、こんなに楽しい気分になれたのはいつ以来だ。ウルトラミラクルラブストーリー観て以来だから一日ぶりか。


帰り、明治神宮前の駅のホームで酔っ払ってベンチで眠ってしまっている女の人がいたので、大丈夫ですか電車ありますか?と声をかけたら、むくっとおきあがって次の電車が00:44なのをみてびっくりした顔してはぁ飲みすぎたーー社内の飲み会だったんですけど飲みすぎちゃってーーとか言って、あーもう電車待ってられないとか言って、つかつか歩きだして、帰りましょう家どこですか?とか言われて、五反田の方なんですけどと応じてみたら、じゃあ反対方面ですね、とか言われて、知らんがなとか思いながら、井の頭線に乗り換えるらしく、ほな反対ちゃうやんけとか思いながら、ついでやし渋谷まで送ってやろうじゃないかと思ったら、うげってなってトイレにかけこんでいってしまい、つまり一人になってしまい、なぜかあかの他人にトイレ前に置きざりにされて、どうしようほって帰ろうかしらとか思ったけどとりあえず写真とっておくかとか思って写真とって、トイレから出てきたので、やっぱり終電あるんだったらこのまま千代田線の方が楽じゃないですかと提案したらあっさり採用されて、またホームに戻ることになって、こけたら危ないしと思ってまたベンチまで付き添っていってさよならした。ホームへ戻るとき、「女も30も半ばになると、みんな冷たいもんで」とか言うので「お持ち帰りもしてくれない、と」とか調子を合わせたら「そーなの」だってさ。