キェシロフスキ特集上映「スティル・アライブ」人柄に惹かれる
ポーランドの映画監督クシシュトフ・キェシロフスキの特集上映「キェシロフスキ・プリズム」が開催中。東京渋谷・大阪・名古屋にて。未公開の5作品はなかなか目にする機会が無いそうなので何とか観ておきたい。
http://www.kieslowski-prism.com/
『トリコロール』三部作、『デカローグ』『ふたりのベロニカ』などの傑作を遺し、その芸術活動の絶頂期に54歳という若さで急逝したポーランドの巨匠クシシュトフ・キェシロフスキ監督。その軌跡をたどるドキュメンタリー映画『スティル・アライヴ』と、貴重な初期未公開作品を初公開するとともに、人間の「感情」と様々な「愛」のかたちを見つめ続けたその作品群を一挙特集上映。
まずはキェシロフスキのドキュメンタリー「スティル・アライヴ」を観る。場内も暗くなって、オープニングの音楽とともに、スクリーンにでかでかと「スティル・アライヴ」が表示されて初めて気付いたらしく、「ちがくね!?」と叫ぶ女子二人連れ。ユーロスペースってスクリーンが2つしかないけど、慣れてない人がよく間違った方に入ってしまう。内心、このまま観てみればよくね!?って思った。ウルトラミラクルラブストーリーは隣ですて案内したがあったのに
- だいたいこのポスターに写ってる感じの人
- キェシロフスキはポーランド人。ポーランドは東欧。映画の評価をするのは西欧。そんな状況でキェシロフスキはどう生きたか。
- ドキュメンタリーから劇映画へ
- 風呂場かトイレでの撮影シーンでの台詞「ここに何かがある気がするんだ!」(うろ覚え)に惚れる
- 撮影が完了して編集に向かうときに言ったという「作品の魂を再発見するぞー」に惚れる
- 神経を削りすぎたのか過労からか、晩年のやつれっぷりがすさまじい
- 政治よりも日常(「政治は汚い。トイレに紙があるかどうかの方が心配だ。」)
- 撮影が嫌いで、脚本と編集が好きだったそう
- たばこ似合うけど吸い過ぎ。時代。
映画とは目に見えて 触れるものを描くもの
それが大切と思ってた
だが 見えないものを描くことが美しいと 彼の映画で学んだ
とくに遺作となった『トリコロール』三部作で 彼は実践的で皮肉な唯物論者だったが
最後には 本当のヒューマニストになった
目に見えぬものを写していたのだ
―『スティル・アライヴ』より ヴィム・ヴェンダース(映画監督)―
- 暑苦しい思想みたいなのは伝わってこない
- ストイックさにさらされてこっちまで気持ちがしゃんとなる
- 隠遁後の映画学校での授業で学生に向かって「今は歩くことが楽しい」
- ちなみにかなりイケメン
- 初期のドキュメンタリーも後半の評価された劇映画たちも、ぜひ観てみたいと思った