あんにょんキムチ・カレーライスの女たち:楽しい


仕事の終わりがちょっと遅いときにレイトショーという選択肢があるのがうれしい東京。ポレポレ東中野に初めて来たので興奮している。今日は上映作品が変更になったらしく特別価格の700円でとてもお得。来た甲斐がある。

▼あんにょんキムチ、1999、52分
韓国人の血を引きながらもキムチが食べられないという松江哲明監督が、日本映画学校の卒業制作として完成させた笑いと涙のドキュメンタリー。戦争の頃に韓国から日本にやってきた祖父が、「哲明、バカヤロー!」と言い残して死んだことが気になり、これまで何となくネガティブなイメージを抱いていた韓国について考えるようになった松江哲明。彼はデジカムを抱えて親戚の元を訪ね歩き、自分と家族のルーツを調べていく。

あんにょんキムチ

あんにょんキムチ

いろんな刺激にあふれた作品。DVD化されていないので観れるのは貴重。「あんにょん」は英語の「ハーイ」みたいなものなんだって。従ってタイトルの「あんにょんキムチ」は、こんにちはキムチ・さようならキムチという意味だそうで。


在日の家族を取り扱ってはいるが、みえてくるのは家族であり、自意識であり、家族から派生した自分が大人になるにつれ家族を包み込んでいくような過程だ。祖父の故郷の殺風景が写るとき、スクリーンから過ぎ去った時間の存在感が溢れ出す。

カレーライスの女たち、2003、30分

松江哲明監督の野心的な試みによる私的なドキュメンタリー。彼が3人の女性の自宅を訪れ、カレーライスを作ってもらうという企画のなかで、それぞれの女性と自分との関係性を描く。彼女、友達、気になる存在、3人の女性それぞれに作ってもらったカレーの味は……?

軽く嫉妬を覚えながら、でも楽しい、という屈辱感。各女性が無防備になる瞬間がたまらない。えろいなこれ。


それにしてもドキュメンタリーって観ててあきないなあ。好きなように観れるもんなあ。


まもなく公開される「あんにょん由美香」について話す松江哲明の語り口から、相当な自信作っぽいことが読み取れて期待が高まる。