『白い肌の異常な夜 The Beguiled』『The Beguiled : The Storyteller』

『白い肌の異常な夜』"The Beguiled"(1971年/105分/カラー)監督:ドン・シーゲル


白い肌の異常な夜 通常版 [DVD]

白い肌の異常な夜 通常版 [DVD]


2009.07.28(火)19:00
@国立近代美術館フィルムセンター 大ホール


まずは、わたくしのイーストウッド映画との関わりの薄さについて。イーストウッドの映画は監督作品は『チェンジリング』と『グラン・トリノ』しか観てない。出演作品はテレビで『荒野のガンマン』ぽい西部劇を観たような眺めたような気がする程度でほとんど知らない。『チェンジリング』は不幸の連続がむかつくのと、演出の凡庸さ(精神病院での陰湿ないじめの仕方とか)に腹が立って途中で帰った。『グラン・トリノ』は爆笑して楽しんでラストであほみたいに泣いた。その程度なので、あのおっちゃんには何の思い入れもない。


映画が始まって15分くらい経ったら20分ほど寝てすっきりする、というパターンが最近多い。冒頭、イーストウッド先生がいきなり少女にkiss。っわわ、kissした!みたいな。この少女の使い方がこの映画の最良の部分だと思う。静かに燃えていた嫉妬の爆発、亀投げられてからの半端無い怒り、思いつめた顔でマッシュルーム採ってきますとか。あと、Elizabeth Hartman という女優がかわいい。


まあ、おとなしく映画的な過剰さを指摘して観てよかったなーと思うことは不可能じゃないけど、楽しくないのはやっぱ辛い。今日のフィルムセンターは満員で、イーストウッドが珍作出てるよ!わははーい!という楽しみをしている人もけっこういたみたいだけど、こんなの観ても意味無いし。イーストウッドの出演作品の変遷を学ぶための教材だと思うことにする。

『The Beguiled : The Storyteller』(1971年/12分)

イーストウッド初監督短篇作品とのこと。『The Beguiled』のメイキングぽいが、イーストウッドが「映画の監督とは語り部(Storyteller)なのだ」とかクズみたいことをしゃべる12分。イーストウッド資料として。短いのが幸い。