『花と兵隊』

『花と兵隊』(2009)@シアターイメージフォーラム 17:00-
下北沢シネマアートンで観た『ゆきゆきて、神軍』の怒れる奥崎謙三を思い出しながら観た。今村昌平の未帰還兵シリーズが観てみたい。さて。藤田松吉さんの存在感は圧巻。あれは本物だ。撮影時に存命だった方が既に二名亡くなってしまった。第二次大戦に参加した人間がいない時代が来ようとしているわけで、その点を踏まえると記録として貴重なのは間違いない。だけど、前半の構成に対する不満はまだいいとしても、監督の元兵士へのかかわり方が軽くて届いてないと思う。なぜ日本に帰還しなかったのかがぼやけてしまっている気がする。それでも、第二次大戦で日本の兵士がどういった非日常的な行為をしていたか・させられてしまっていたかについて、何も知らない人は勉強になるかもしれない。この映画を観るかどうかにかかわらず、食べるものが無くなった悲惨な状況下に陥った兵士が、死んだ仲間の肉を食べることが珍しくないということくらいは知っておくべきだと思う。