清野とおる『ガードレールと少女』、琵琶、など

ガードレールと少女 清野とおる漫画短変集

ガードレールと少女 清野とおる漫画短変集

清野とおる『ガードレールと少女』で元気が出る。シュールだけど振り切れはせず、戻ってきたら意外とフェアウェイだったりする、よね。


ドキュメンタリー:リアルワールドへ踏み込む方法 (Next Creator Book)

ドキュメンタリー:リアルワールドへ踏み込む方法 (Next Creator Book)

村山匡一郎編集のこの本の中で、「すべての映画はドキュメンタリーである、とゴダールは言った」という文を2回も読まされた。昼間、ちょうど、そろそろゴダールが観たいと思ってたところさ。


あと、読んでてジョナス・メカスというひとが気になった。


渋谷TSUTAYAで琵琶のCDを借りてきて聴いている。祇園精舎っていい曲。
田原順子というお方の歌声に鳥肌。


あと名作、まんが日本昔ばなし耳なし芳一」。

琵琶の音色がきもちいい。
芳一のなんたる受動態。「ありがとうございます!」がちょっと可笑しい。

Down by Law(Jim Jarmusch,1986)

お昼。釣りをする老夫婦。




リミッツの前に観る予定だったジャームッシュ予習DVD。


ロベルト・ベニーニが何回もジャックとザックって言いながら劇空間を飲み込んでいく。とんでもないな。と思って調べたらすんごいなこの人。泣かされる。
http://www.youtube.com/watch?v=8cTR6fk8frs

『リミッツ・オブ・コントロール(The Limits of Control)』Jim Jarmusch,2009


『リミッツ・オブ・コントロール』火曜日観たー、シネマライズは火曜日1000円なんだって!


また!また音楽が先に来る!って思いながら観た。


未知の経験をした気がするので、とりあえずもう一度観ることにする。世の中の退屈をもう一度思い出して。スクリーン近くで。眠くない状態で。


こういう写真観たら観たくなるよね。
http://www.aceshowbiz.com/still/00004500/the_limits_of_control02.html

『燈台守(Gardiens de phare)』Jean Grémillon,1929

9/20。フィルムセンターにて。サイレント。白い看護婦みたいな帽子?をかぶった妻と、一ヶ月のあいだ燈台を守りにいく旦那とそのおとっつぁん。出発の前日に旦那を噛んだ狂犬病の犬と、穏やだったのに荒れ狂っていく波と、灯ったり消えたり灯ったりする燈台。の話。悲劇風。


写真などがありますCensures (1929) article de Marcel Carne dans Cinemagazine | Marcel Carné


最初の方はよかった。ゆっくりの展開がここちよい。波がながーくながーく押し寄せてきてすすーっと戻っていく。旦那は船をこいで陸から離れていく。旦那を見送る妻がハンカチでゆっくり涙をぬぐう後姿がいい。妻が近所の女2人と話していると、でっかいダックスフントみたいのが馬車の荷台で狂ったように獣の顔して咆えている。この犬の狂いっぷりったらない。過剰に狂ってる。旦那のこぐ舟の向こう、燈台と小島が見えてくる。嘘みたいにピカピカした水しぶきのきらめきで画面が埋まる。旦那の燈台を見る首筋から頭のどっしりとした後姿がよい。妻も旦那も前を向いているのだね。堂々とした展開がよかった。あとは、燈台の光と影でどこまで遊べるかというところ。回想シーンで犬がけられてるのが可笑しかった。まあ、腕噛んだら蹴られるだろうけど、本気で蹴られてなかったか。あと、幻想シーン最期で犬が走っているのをえらい綺麗に写してたけど、あれはいったいなんだ。あと燈台の中が近未来的な空間になってるのが面白い。


燈台の中で狂犬病が発病して、遭難信号を出しても大時化で助けが来そうになくてって状況で「二人は囚われの身!」って字幕がなんか可笑しい。続けて、噛んだ犬が檻の中に入れられて「殺すしかありません」て字幕出されて、普通にかわいい犬の顔に戻ってるのもまた可笑しい。最終的にはおとっつぁんが無茶苦茶頑張って締める。崖からの落下シーンでカメラがぎゅりゅぎゅりゅ回転したのとか、画面いっぱいに「つとめを果たさねば!」(仏語が苦手で書き取れへんのでした。。。)が横に流れるのとか、意外もいっぱい。



その後、『死刑執行人もまた死す(Hangman Also Die)』『マンハント(Man Hunt)』『音楽』(増村保造)。今日はどれも確かな楽しみがあったけど、なーんか物足りない。そんな一日。勉強にはなったけどなー。というのが昨日の話で、今日は会社ちょっと行ったあとワイズマンの『州議会』を観てきた。

詩人:最果タヒさん、音楽:Doopee Time、漫画買ったり

詩人 最果タヒさん

最果タヒ.blog

ブログ読んでたら泣いてしもうた。

音楽 Doopee Time/Doopees

http://d.hatena.ne.jp/n_sexes/20090909/1252513420 で出会ってネットで中古CD買ってしまった。(ブログ主さん、ありがとうございます。)


2. DOOPEE TIME
8. LOVE SONGS
12. TIME AND SPACE
繰り返し聴く。

漫画 デボネア・ドライブ2、シグルイ13

ヴェーラ帰りに渋谷TSUTAYAに寄る。そろそろ出てるだろと思ってたさ。

デボネア・ドライブ 2 (BEAM COMIX)

デボネア・ドライブ 2 (BEAM COMIX)

シグルイ 13 (チャンピオンREDコミックス)

シグルイ 13 (チャンピオンREDコミックス)


うさぎドロップも最近買ったけどまだ開けてないな。

うさぎドロップ 6 (Feelコミックス)

うさぎドロップ 6 (Feelコミックス)

『肉(Meat)』Frederick Wiseman,1976


『肉』 Meat 1976年/113分/モノクロ
野の草を食む「牛」はいかにして「肉」となるか。牛がトラックで牧場の外へと連れ出されてから、巨大精肉工場で製品化され、市場に送り出されていくまでの全工程を記録する。「牛」が徹頭徹尾「肉」として扱われるこの場所で、無数に細分化された各工程が一分の狂いもなく進行する過程を映し出す。

http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=225


観てから既に6日間が経ってしまった。ワイズマンを観るのはいったいどんな経験なのか。6日間ほぼ毎日考えていた気がする。ワイズマンの特徴は、近くも遠くもない距離で観させられている感覚とユーモアにあると思う。頭をつかまれてあれやこれやと観ろ観ろ観ろと。感情移入の手かがりは与えられず、かといって、完全に他人事とするには目を離せない出来事が持続するという。つかずはなれず注視し続けさせられる。でもたまに、こんなんもあるからね、と愉快やコミカルやかわいさを見せてもらえるという。飴とむちか。自分が観る機械みたいになるんだな。たまに油をさしてもらえるということか。そこまでモーレツに悦びがあるわけじゃないのに、そういったワイズマンでしか味わえない感覚があるから観続けたくなってしまうのだなあ。


『肉』の素材はお肉ビジネス。動物をつぶしてお金に交換する営みの詳細についての記録。牛をつぶす作業を映像で観るのは映画『いのちの食べ方(Our Daily Bread)』を含めて2回目だが、『いのちの食べ方』(森達也)と『世界屠畜紀行』(内澤旬子様の傑作! 最高! 必読で! 内澤さんの育てた豚を食べるイベントが予約いっぱいで残念!)で詳しく勉強させてもらったのでよく知っているほうだと思う。動物をつぶすという行為は、知恵(血をぬくのは生きたままとか)や、わざ(最初に脊髄をつぶせば作業が安全とか)の結晶なのだ。それがシステム化されるとどうなるか。文化がごそっと削げ落ちてしまった効率よくアウトプットを目指す行為は、まあ、見ごたえがあるに決まってるわけで。やな感じの綺麗さ(牛の頭がずらーって整列されてぶらさがってたり、機械で皮がびっくりするくらいぺらーと剥けたり)から目が離せまへんでっせ。お肉が好きな人には絶対観てほっすぃ。



という話はやめて。やっぱ牛の顔だね。家畜っぽい顔をずっと見てしまう。まさか急に殺したりしませんよねみたいな顔をじっと見てしまう。頭ちょんぎられて顔の皮むかれた顔がきた時にやっぱ顔だよなと思う。顔があるのに殺されるんだよな。あと羊の群れを先導するヤギ!なんだあれは。あのあと、羊はみんなつぶされるんだぞ。ヤギにあんなことさせていいのか、でも無茶苦茶可笑しい。あと行進からジャンプで飛び出していく羊! おっしゃ! あとけっこう逆光のショットを好んで使ってたけど、最初の牛の運搬と最期の肉の運搬の対称関係をわかりやすくしてくれているのか。あとファームの中央管理室につとめる女の子のハートの髪留め!を3秒くらいだけ挿入するワイズマン節! 真っ二つに割られた牛の枝肉に白い布がかけられた様がすごく美しかったな。


冒頭の、セリのシーンでやっぱりワイズマンは音楽入れたがっている疑いがかなり濃厚になってきたぞ。日常の中に隠れた音楽を自由にしたいとか。思ってないかな。で、やっぱ人間がおもろいんだよな。牛を小さくする作業場で座り込んで居眠りできたり作業しながらTVのアメフトみたりできると。